鳥獣保護法とは?外来生物法との関係や狩猟できる鳥獣について解説

ハトやツバメなどが自宅に巣を作っても、勝手に壊してはいけないと聞いたことがあるのではないでしょうか。また、野鳥の雛を自宅で育てたり、カラスに迷惑しているからといって殺傷してしまったりしてもいけません。これらはすべて、鳥獣保護法によって野生生物を保護していることが関係しています。それでは、狩猟はなぜ行われるのでしょうか。また、外来生物に関する法律である外来生物法との関係についても解説していきます。

鳥獣保護法とは?

まずは、鳥獣保護法とはどのような法律なのか見ていきましょう。

鳥獣保護法とは?

鳥獣保護法の正式名称は、「鳥獣の保護および管理ならびに狩猟の適正化に関する法律」です。野生のほ乳類や鳥類といった保護の対象動物を保護・管理するために、環境保全・個体数の調整・狩猟制度などを定めています。

鳥獣保護法の対象動物とは?

鳥獣保護法で保護される対象と定められている「鳥獣」とは、どのような動物なのでしょうか。鳥獣保護法では、鳥類またはほ乳類に属するすべての野生生物を保護の対象としています。ただし衛生環境に甚大な支障を及ぼしかねないネズミ3種と、他の法律ですでに保護・管理されているアシカ1種とアザラシ5種、ジュゴン以外の海生ほ乳類は対象外となっています。

害獣・害鳥は?

日本に生息している野生鳥獣は、鳥獣保護法によって守られているので、無断に捕獲できません。ただし、カラスやハト、イタチやハクビシンなど田畑や住居を荒らすなどして人間の生活に害を与える害獣・害鳥お存在します。このような害獣・害鳥については、自治体に許可を申請すれば捕獲できます。

禁止されている行為は?

鳥獣保護法では、鳥獣を守るために許可なく殺傷したり捕まえたりする行為を禁止しています。詳しくは、次の行為が禁止されています。

  • 狩猟鳥獣以外の鳥獣を捕獲すること
  • 占有者の承諾を得ず鳥獣の捕獲などをすること
  • 鳥獣および鳥類の卵を捕獲または採取すること
  • 鳥獣保護区域で無許可の行為をすること
  • 捕獲した鳥獣を飼育すること
  • 捕獲許可証の不携帯や不提示、虚偽の届け出すること

狩猟していいの?「狩猟鳥獣」とは?

鳥獣保護法で守られている鳥獣を捕獲する方法として、自治体に捕獲許可申請する方法とは別に、狩猟による捕獲という手もあります。狩猟とは狩猟免許を取得し、指定された方法で、指定された動物を狩ることです。ただし、狩猟の場合は、指定された49種しか捕獲できません。ここからは、49種の狩猟鳥獣を紹介しましょう。

鳥類(29種類)

狩猟鳥獣のうち、29種の鳥類は次の通りです。 ・カワウ ・ゴイサギ ・マガモ ・カルガモ ・コガモ ・ヨシガモ ・ヒドリガモ ・オナガガモ ・ハジビロガモ ・ホシハジロ ・キンクロハジロ ・スズガモ ・クロガモ ・エゾライチョウ ・ウズラ ・ヤマドリ(亜種のコシジロヤマドリを除く) ・キジ(亜種のコウライキジを含む) ・タシギ ・キジバト ・ヒヨドリ ・ニュナイスズメ ・スズメ ・ムクドリ、 ・ヤマガラス ・ハジボソガラス ・ハシブトガラス

獣類(20種類)

狩猟鳥獣のうち、20種の獣類は次の通りです。 ・タヌキ ・キツネ ・ノイヌ ・ノネコ ・テン(亜種のツシマテンを除く) ・イタチ(オスに限る) ・チョウセンチタチ(オスに限る) ・ミンク ・アナグマ ・アライグマ ・ヒグマ ・ツキノワグマ ・ハクビシン ・イノシシ(雑種のイノブタを含む) ・ニホンジカ ・タイワンリス ・シマリス ・ヌートリア ・ユキウサギ ・ノウサギ

外来生物法とは?

鳥獣保護法とほぼ同じ目的の法律に、「外来生物法」があるのはご存知でしょうか。ここからは、外来生物法について見ていきましょう。

外来生物法とは?

外来生物法は205年に施工された法律で、正式名称は「特定外来生物による生態系等にかかわる被害の防止に関する法律」です。外国から外来生物・外来種が多く入ってくるようになり、在来種を脅かしたり、国内で繁殖し生態系のバランスを崩したりする恐れがあることから制定されました。

外来生物法の目的とは?

外来生物法の目的は「生物の多様性の確保」「生活環境の保全」「農林水産業の健全な発展」と、鳥獣保護法と同様です。ところが外来生物法は、特定外来生物の保護ではなく、侵入・定着や拡大を防ぐための法律なのです。

特定外来生物とは?

25種のほ乳類・7種の鳥類を、21種類の爬虫類や15種の両生類、26種類の魚類などは特定外来生物に指定されています。

まとめ

すべての野生生物は、鳥獣保護法などの法律によって保護されていて、たとえ害獣・害鳥であっても許可なく捕獲・駆除はできません。これは、生態系のバランスを維持し、人間の豊かな生活を守るためでもあるのです。生態系のバランスを崩しかねない外来生物についても、外来生物法によって規制があるので、捕獲や駆除はプロの専門業者に任せるようにしましょう。 「株式会社エーライフ」は、害獣・害鳥対策を専門に承る専門業者です。鳥獣保護法や害獣・害鳥の生態について熟知したプロフェッショナルが、オーダーメイドの対策にあたります。ご相談・お見積もりは無料ですので、まずはお気軽にご相談ください。